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百人一首 第57番・紫式部めぐり逢ひて

紫式部出典:『新古今集』雑上・1499
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月影
百人一首『新古今集』雑別れ寂しさ月夜の邸
めぐり逢ひて ジャケット▶

現代語訳

久しぶりにめぐり逢えたのに、それがあなたかどうか分からないうちに帰ってしまった。雲間に隠れる夜半の月のように。

決まり字:め

ミュージックビデオ

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歌のものがたり

Story

時代背景

紫式部は言わずと知れた『源氏物語』の作者。平安中期、彰子中宮に仕えた女房であり、同僚を冷静に観察した『紫式部日記』でも知られる。54帖・世界最古級の長編小説を書き上げた「言葉の人」である。

詠み人の想い

この歌は恋の歌ではない。詞書によれば、幼友達と数年ぶりに再会したのに、その人は月と競うように慌ただしく帰ってしまった——その夜に詠まれた。あなたかどうか確かめる間もないほど短い再会を、雲に隠れる夜半の月にたとえる。何百万字を紡いだ物語作者が、友との別れの寂しさはたった三十一文字に隠した。言葉を尽くすことと、言葉にできないことの間で生きた人の歌である。

歌詞にこめたもの

原歌のはかなさを、現代の「すれ違い」に重ねました。雑踏でふと目が合ったあの日の面影は、名前を呼ぶ前に人波に消えた。連絡先も聞けず、別れの言葉も覚えていない——それでも、ほんの一瞬だったからこそ深く胸に残る。確かめなかったから、永遠になった。一瞬のめぐり逢いを、そっと抱きしめる歌です。

歌詞

Lyrics

雑踏の中で ふと目が合った

あの日の君と 同じ笑い方で

名前を呼ぶ前に 人波にまぎれて

もう姿は 見えなくなった

ほんの一瞬の めぐり逢いだった

それでも確かに 君だったはず

夜空の月が 雲に隠れるみたいに

めぐり逢いて 見しやそれとも

わからないまま 夜は更けてゆく

あれは本当に 君だったのかな

それとも僕の 見た夢だったのかな

雲がくれにし 夜半の月影

追いかける手も 届かないまま

連絡先も 聞けないままで

別れた言葉も 覚えていない

それでも今夜 思い出している

君の声を 君のまなざしを

ほんの一瞬の めぐり逢いだから

こんなにも深く 胸に残るの

夜空の月が 雲を抜けるみたいに

めぐり逢ひて 見しやそれとも

わからないまま 時は流れて

あれは本当に 君だったのかな

それでも確かに 光はあったよ

雲がくれにし 夜半の月影

記憶のなかで 今も照らしてる

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に

雲がくれにし 夜半の月かな

めぐり逢ひて 見しやそれとも

答えはきっと もう要らないんだ

一瞬だったから 美しかった

確かめないから 永遠になった

雲がくれにし 夜半の月影

あの夜の月は 今もどこかで

誰かを照らして いるのだろう

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