Garu JP百人一首 / 雲がくれの月影
小倉百人一首 第五十七番

雲がくれの月影

紫式部出典:『新古今集』雑上・1499
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月影
雲がくれの月影 ジャケット

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歌のものがたり

Story

時代背景

平安中期。紫式部は世界最古の長編物語ともいわれる『源氏物語』の作者で、宮廷に仕えながら繊細な心の機微を和歌や物語に描き出しました。この歌は、幼い頃の友との束の間の再会を詠んだものと伝えられています。

作者の詩に込めた想い

久しぶりにめぐり逢えたのに、それがあの人だと見分けられるかどうかのわずかな間に、もう行ってしまった——まるで、雲に隠れてしまった夜半の月のように。ろくに言葉も交わせぬまま慌ただしく別れた再会のはかなさを、月に重ねた一首です。

歌詞にこめたもの

原歌のはかなさを、現代の「すれ違い」に重ねました。雑踏でふと目が合ったあの日の面影は、名前を呼ぶ前に人波に消えた。連絡先も聞けず、別れの言葉も覚えていない——それでも、ほんの一瞬だったからこそ深く胸に残る。確かめなかったから、永遠になった。一瞬のめぐり逢いを、そっと抱きしめる歌です。

歌詞

Lyrics

雑踏の中で ふと目が合った

あの日の君と 同じ笑い方で

名前を呼ぶ前に 人波にまぎれて

もう姿は 見えなくなった

ほんの一瞬の めぐり逢いだった

それでも確かに 君だったはず

夜空の月が 雲に隠れるみたいに

めぐり逢いて 見しやそれとも

わからないまま 夜は更けてゆく

あれは本当に 君だったのかな

それとも僕の 見た夢だったのかな

雲がくれにし 夜半の月影

追いかける手も 届かないまま

連絡先も 聞けないままで

別れた言葉も 覚えていない

それでも今夜 思い出している

君の声を 君のまなざしを

ほんの一瞬の めぐり逢いだから

こんなにも深く 胸に残るの

夜空の月が 雲を抜けるみたいに

めぐり逢ひて 見しやそれとも

わからないまま 時は流れて

あれは本当に 君だったのかな

それでも確かに 光はあったよ

雲がくれにし 夜半の月影

記憶のなかで 今も照らしてる

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に

雲がくれにし 夜半の月かな

めぐり逢ひて 見しやそれとも

答えはきっと もう要らないんだ

一瞬だったから 美しかった

確かめないから 永遠になった

雲がくれにし 夜半の月影

あの夜の月は 今もどこかで

誰かを照らして いるのだろう

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