▶私の庵は都の東南にあって、このように心安らかに暮らしている。それなのに世間の人は、世を憂えて隠れ住む宇治山だと言っているそうだ。
決まり字:わがいわが庵は(古今集/喜撰法師・百人一首8番)Garu JP
駅から遠い 町に越した
通勤のない 朝を淹れる
コンビニまでは 自転車で十五分
不便って言葉が 似合う楽園
都会の友達が 言ってるらしい
「あいつは逃げた」って 笑ってるらしい
わが庵は 都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり
逃げたんじゃなくて 選んだんだよ
まあこんな感じで やってるんだよ
噂の続きは ご自由にどうぞ
こっちは今日も いい天気
リモート会議の 画面の隅に
畑の緑が 映り込んでる
収入は少し 減ったけれど
夕焼けの取れ高は 倍になった
たまに寂しく ないかと聞かれる
寂しさよりも 静けさが勝つ
わが庵は 都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり
千年前の 宇治の山にも
同じ噂を された人がいる
「世を捨てたんだ」と 言われて笑って
「しかぞ住む」って 歌にした
世を憂う山と 読んで宇治山
うまいこと言うね 座布団一枚
でも本人は 案外元気で
茶でも飲んでけと 笑ってる
わが庵は 都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり
逃げたんじゃなくて 選んだんだよ
まあこんな感じで やってるんだよ
遊びに来るなら いつでもどうぞ
こっちは今日も いい天気
世をうぢ山と……
人はいふなり