▶平安前期。在原業平の一代記とされる歌物語『伊勢物語』の第六十八段。住吉の浜に遊んだ折、「住吉の浜と詠め」と求められて即興で詠んだ一首です。
雁が鳴き菊が咲く秋も美しいけれど、私が選ぶのは春の海辺——「住み良し」の掛詞を効かせながら、世間の誉める華やかさではなく、自分の心が向かう静けさを堂々と選んでみせた、粋な価値宣言です。
歌詞は「みんなが美しいと言うもの」と「自分の心が向かうもの」が違ってもいい、という原詩の心をそのまま現代に持ってきました。派手な季節ではないけれど、ここにしかない静けさがある——世間の物差しに流されず、自分の答えを静かに選ぶ歌です。
空には雁が 列をつくって
庭には菊が 咲き誇ってる
誰もが秋を 美しいと言う
確かにそうだ 間違いじゃない
それでも僕の 心が向かうのは
華やかさじゃない 別の場所
霞んだ住吉の あの浜辺へ
雁鳴きて 菊の花咲く秋はあれど
僕が選ぶのは 住吉の浜
波はおだやかに 松はやさしく
派手な季節じゃ ないけれど
ここにしかない 静けさがある
誰がなんと言おうとも 譲れない
胸の奥 静かに灯る場所
永遠に愛おしい 春の海辺
人が褒めるもの みんなが選ぶもの
正解みたいに 並べられても
心がふっと 軽くなる場所は
いつも誰かの 影にあった
それでも僕は 知っているんだ
本当に好きなものは 声が小さい
霞んだ住吉の あの浜辺のように
雁なきて 菊の花咲く秋はあれど
僕が選ぶのは 住吉の浜
波はおだやかに 松はやさしく
派手な季節じゃ ないけれど
ここにしかない 静けさがある
誰がなんと言おうとも 譲れない
胸の奥 静かに灯る場所
永遠に愛おしい 春の海辺
雁鳴きて 菊の花咲く 秋はあれど
春の海辺に 住吉の浜
雁鳴きて 菊の花咲く秋はあれど
僕が選ぶのは 住吉の浜
誰かの正解を 借りなくていい
胸が静かに 頷くままに
霞のむこうに 今日も光る
ずっと大切に していきたい
時を越えてなお 色あせない
かけがえのない 春の海辺