Garu JP百人一首 / ひらり散り急ぐ
小倉百人一首 第三十三番

ひらり散り急ぐ

紀友則出典:『古今集』春下・84
ひさかたの 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ
ひらり散り急ぐ ジャケット

ミュージックビデオ

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歌のものがたり

Story

時代背景

平安前期。紀友則は『古今和歌集』の撰者の一人に選ばれながら、その完成を見ずに世を去ったと伝えられる歌人です。いとこの紀貫之とともに、優美で技巧を凝らした王朝和歌の世界を築いた中心人物のひとりでした。

作者の詩に込めた想い

うららかな光に満ちた、のどかな春の日。それなのに、どうして桜はこんなにも落ち着かない様子で散り急ぐのだろう——穏やかな日和と慌ただしく散る花の対比に、「もう少しゆっくりしていけばいいのに」という、花を惜しむやさしいまなざしが込められています。

歌詞にこめたもの

原歌の問いを、せわしなく駆け抜けてしまう現代の私たちに重ねました。立ち止まる暇もないまま走り続け、気づけば季節は過ぎている。「慌てなくていい、時間はあるよ」と声をかけても、花も私たちも散り急いでしまう——それでも、急いで散るからこそその一瞬は眩しい。せわしなさを責めるのではなく、そっと肯定する歌です。

歌詞

Lyrics

柔らかな光が 降り注ぐ午後に

風はやさしく 時はゆっくりと

世界中が息を ひそめているのに

桜だけが 急いでいる

こんなにも 穏やかな日なのに

どうして君は 散ってゆくの

もう少しだけ ここにいてほしい

ひさかたの 光のどけき春の日に

静心なく 舞い落ちてゆく花びら

慌てなくていい 時間はあるよ

そう声をかけても 届かないまま

ひらりひらりと 風に乗ってゆく

こんなに眩しい 春の日に

気づけばいつも 駆け抜けてきた

立ち止まる暇も ないまま今日まで

誰かの春は 穏やかに見えて

自分の春は いつも急ぎ足

こんなにも 光に満ちた日々を

どうして僕は 駆け抜けたの

もう一度だけ あの春に戻れたら

ひさかたの 光のどけき春の日に

静心なく 生きてきた僕らも

慌てなくていい 時間はあるよ

誰かがそう 言ってくれたなら

それでもきっと 散り急ぐのだろう

こんなに眩しい 日々の中で

ひさかたの

光のどけき 春の日に

しず心なく 花の散るらむ

ひさかたの 光のどけき春の日に

静心なく 舞い落ちる花びらは

僕らに似ている 君に似ている

急ぐ理由など わからないまま

それでも美しく 散ってゆくから

こんなに眩しい 春の日に

ひらりひらりと 今日も生きてゆく

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