▶ためらわずに寝てしまえばよかったのに。あなたを待つうちに、とうとう西に傾く月を見てしまいました。
決まり字:やすやすらはで(後拾遺集/赤染衛門・百人一首59番)Garu JP
「すぐ行くよ」って メッセージ
それきり画面は 暗いまま
先に寝てれば よかったのに
カーテン越しに 月あかり
待ってるなんて 認めたくなくて
「起きてただけ」と 言い訳してた
やすらはで 寝なましものを
さ夜ふけて ひとり
かたぶくまでの 月を見てた
来ないとわかって いたのなら
夢の中で 会えたのに
送りかけた 「まだ起きてる?」
消して枕に 顔をうずめる
怒ればいいのか 笑えばいいのか
月だけが 付き合ってくれた
恨んでるわけじゃ ないんだよ
ただ夜だけが 長すぎた
やすらはで 寝なましものを
さ夜ふけて まだ
かたぶくまでの 月を見てる
「おやすみ」さえ 来ないまま
西の空が 白んでいく
月あかりだけの 御簾の内で
同じ月を 見上げた人がいた
来ない人を 待った夜のことを
歌にして 笑ってみせた
やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて
かたぶくまでの 月を見しかな
やすらはで 寝ないでいたのは
待つことを 選んだのは
私だった それでもいいの
傾く月の 美しさを
あなたの分まで 見ていたの
かたぶくまでの……
月を見しかな