天を吹く風よ、雲の中の通り道を吹き閉ざしておくれ。天女たちの美しい姿を、もうしばらく地上にとどめておきたいのだ。
決まり字:あまつ平安前期・仁明朝。宮中の新嘗祭で舞う五節の舞姫は天女に見立てられた。作者は桓武天皇の孫・良岑宗貞(出家前の遍昭)。帝に寵愛された美貌の貴公子で、のちに六歌仙の一人となる。
舞を終えて退場する舞姫を「天に帰る天女」に見立て、「風よ、雲の帰り道を閉ざしてくれ。もう少しだけこの姿を見ていたい」と願った。華やかな一瞬への憧憬と、終わってほしくない時間への切実な祈り。
現代のライブ最終曲・アンコールの「この一瞬よ、終わるな」に重ねた。V2で千年前の宮中へフラッシュバックし、ラスサビ「しばし どころか 永遠に」で、歌になったことで一瞬が永遠になった原典の運命そのものを落ちにした。