平安時代中期の歌人。六歌仙の文屋康秀の子とされる。駿河掾・大舎人大允など下級官人を務めた。伝記は不明で、勅撰集に入る歌は『古今集』の1首と『後撰集』の2首の計3首のみ。寛平御時后宮歌合や是貞親王家歌合など、宇多朝の歌合に出詠している。百人一首の「白露に」は『後撰集』の秋歌で、風に吹き散る草の露を糸を通さない真珠に見立てた、鮮やかな視覚表現の歌。
白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
白露に風がしきりに吹きつける秋の野は、まるで緒で貫き留めていない玉が散り乱れているようだ。
決まり字:しら