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百人一首の恋歌 43首恋の歌

百人一首には、百首のうちほぼ半数にあたる四十三首の恋の歌が収められています。人に知られまいと隠す恋、来ない人を待ち続ける夜、逢ったあとにいっそう募る思い、そして恨みと別れ——千年前の恋は、驚くほど今の私たちと同じです。ここでは四十三首を恋の場面ごとに分け、それぞれの歌の意味と歌人の物語、そして現代のJ-POPとして歌い直した楽曲を紹介します。

ひと目でわかる 全43首

All 43 poems

曲になった歌は、歌の行から作品ページ(意味・現代語訳・時代背景・歌詞・ミュージックビデオ)へ進めます。

番号上の句・下の句歌人現代語訳決まり字
3あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかも寝む♪ 「あしびきの」を聴く
柿本人麻呂山鳥の垂れ下がった尾のように長い長いこの秋の夜を、私はひとりで寂しく寝るのだろうか。あし
13筑波嶺の 峰より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる♪ 「筑波嶺の」を聴く
陽成院筑波嶺の頂から流れ落ちるみなの川が、次第に深い淵となるように、私の恋心も積もりに積もって深い淵となってしまった。つく
14陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに
乱れそめにし われならなくに♪ 「陸奥の」を聴く
河原左大臣陸奥のしのぶもじ摺りの乱れ模様のように、私の心は乱れている。いったい誰のせいで——あなた以外の誰のせいでもないのに。みち
18住の江の 岸に寄る波 よるさへや
夢の通ひ路 人目よくらむ 近日公開
藤原敏行朝臣住の江の岸に寄る波のように、あなたはなぜ夜の夢の中でさえ、人目を避けて会いに来てくれないのだろう。
19難波潟 短き蘆の ふしの間も
逢はでこの世を 過ぐしてよとや 近日公開
伊勢難波潟の芦の刈り根の節の間のような、ほんのわずかな時間さえ会えないまま、この世を過ごせとあなたは言うのだろうか。なにわが
20わびぬれば 今はた同じ 難波なる
身をつくしても 逢はむとぞ思ふ 近日公開
元良親王つらい思いに沈む今となっては、もうどうなっても同じこと。難波の澪標ではないが、この身を滅ぼしてでもあなたに会いたい。わび
21今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるかな♪ 「今来むと」を聴く
素性法師「今すぐ行く」とあなたが言ったばかりに、九月の長い夜を待ち続けて、有明の月が出る頃まで待ってしまった。いまこ
25名にし負はば 逢坂山の さねかづら
人に知られで くるよしもがな 近日公開
三条右大臣「逢坂山のさねかずら」——その名の通りなら、人に知られず、かずらを手繰るようにあなたのもとへ行く方法があればいいのに。なにし
27みかの原 わきて流るる 泉川
いつ見きとてか 恋しかるらむ 近日公開
中納言兼輔みかの原を分けて湧き流れる泉川——その「いつ見き」ではないが、いつ逢ったといってこんなに恋しいのだろう。みかの
30有明の つれなく見えし 別れより
暁ばかり 憂きものはなし 近日公開
壬生忠岑有明の月がそっけなく見えた、あの別れの時から、夜明け前ほどつらいものはない。ありあ
38忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
人の命の 惜しくもあるかな♪ 「忘らるる」を聴く
右近あなたに忘れられる我が身のことは何とも思わない。ただ、神に誓ったあなたの命が…わすら
39浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど
あまりてなどか 人の恋しき 近日公開
参議等浅茅の生えた小野の篠原——その「しの」ではないが、忍んでも忍びきれず、どうしてこんなにあなたが恋しいのだろう。あさぢ
40忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は
物や思ふと 人の問ふまで♪ 「忍ぶれど」を聴く
平兼盛隠してきたけれど、顔色に出てしまっていたのだ、私の恋は。「物思いをしているのですか」と人に尋ねられるほどに。しの
41恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか♪ 「恋すてふ」を聴く
壬生忠見恋をしているという私の噂が、もう立ってしまった。誰にも知られないよう、ひそかに想い始めたばかりだったのに。こひ
42契りきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 波越さじとは 近日公開
清原元輔約束しましたね。互いに涙に濡れた袖を絞りながら、波が末の松山を越すことがないように、心変わりはしないと。ちぎりき
43逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
昔は物を 思はざりけり♪ 「逢ひ見ての」を聴く
権中納言敦忠逢って結ばれた後のこの恋しさに比べれば、それ以前の想いなど、何も思っていなかったのと同じだ。あひ
44逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし 近日公開
中納言朝忠逢うことが二度とないのなら、かえって、あの人のつれなさも我が身の不運も、恨むことはないだろうに。あふこ
45あはれとも いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな 近日公開
謙徳公「かわいそうに」と言ってくれそうな人も思い浮かばないまま、私はきっとむなしく死んでいくのだろう。あはれ
46由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え
ゆくへも知らぬ 恋の道かな 近日公開
曽禰好忠由良の海峡を渡る舟人が櫂をなくして漂うように、行方も分からない私の恋の道だ。ゆら
48風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけて物を 思ふころかな 近日公開
源重之風が激しくて岩に打ち当たる波が、自分だけ砕け散るように、あなたは平気なのに私だけが心も砕けるほどに物思いをしている。かぜを
49御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え
昼は消えつつ 物をこそ思へ 近日公開
大中臣能宣朝臣宮中の門を守る衛士の焚くかがり火のように、私の恋も夜は燃え上がり、昼は消え入りそうになりながら、思い続けている。みかき
50君がため 惜しからざりし 命さへ
長くもがなと 思ひけるかな 近日公開
藤原義孝あなたのためなら惜しくないと思っていた命さえ、逢瀬を遂げた今は、長くあってほしいと思うようになった。きみがためを
51かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを 近日公開
藤原実方朝臣「これほど想っています」と言うことさえできないのだから、伊吹山のさしも草のように、あなたは知らないだろう…かく
52明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほ恨めしき 朝ぼらけかな 近日公開
藤原道信朝臣夜が明ければまた日は暮れ、あなたに会えると分かってはいても、それでもやはり恨めしい朝ぼらけだ。あけ
53嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は
いかに久しき ものとかは知る 近日公開
右大将道綱母嘆きながらひとりで寝る夜の明けるまでが、どれほど長いものか、あなたはご存じでしょうか。なげき
54忘れじの 行く末までは かたければ
今日を限りの 命ともがな 近日公開
儀同三司母「忘れない」というあなたの言葉が遠い将来まで続くのは難しいでしょうから、その言葉を聞いた今日を限りに…わすれ
56あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな♪ 「あらざらむ」を聴く
和泉式部私はもうすぐこの世を去るでしょう。あの世への思い出に、せめてもう一度だけ、あなたに逢いたい。あらざ
58有馬山 猪名の笹原 風吹けば
いでそよ人を 忘れやはする 近日公開
大弐三位有馬山に近い猪名の笹原に風が吹くと、笹の葉がそよそよと音を立てる——そうです、どうしてあなたを忘れたりするでしょうか。ありま
59やすらはで 寝なましものを さ夜更けて
かたぶくまでの 月を見しかな♪ 「やすらはで」を聴く
赤染衛門ためらわずに寝てしまえばよかったのに。あなたを待つうちに、とうとう西に傾く月を見てしまいました。やす
63今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
人づてならで いふよしもがな♪ 「今はただ」を聴く
左京大夫道雅今はもう「あなたへの想いを断ち切ります」ということだけでも、人づてではなく、直接あなたに伝える方法があればいいのに。いまは
65恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ 近日公開
相模恨む気力も涙も涸れ果てた袖さえ惜しいのに、恋のせいで浮名まで立って朽ちていく我が身が惜しまれてならない。うら
72音に聞く 高師の浜の あだ波は
かけじや袖の ぬれもこそすれ 近日公開
祐子内親王家紀伊噂に高い高師の浜のいたずらな波はかけますまい——浮気なあなたの言葉を信じたら、袖が涙で濡れるでしょうから。おと
74憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを 近日公開
源俊頼朝臣つれなかったあの人が振り向いてくれるよう初瀬の観音に祈りはしたが、初瀬の山おろしよ…うか
77瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ♪ 「瀬をはやみ」を聴く
崇徳院川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が二つに割れても再び一つになるように、あなたと別れても…
80長からむ 心も知らず 黒髪の
乱れて今朝は 物をこそ思へ♪ 「長からむ」を聴く
待賢門院堀河あなたの心が末永く変わらないかどうか分かりません。黒髪が乱れるように心も乱れて、物思いに沈むこの朝です。ながか
82思ひわび さても命は あるものを
憂きに堪へぬは 涙なりけり 近日公開
道因法師つらさに思い悩んでもなお命だけはあるものを、悲しみに耐えきれず、涙が先にこぼれ落ちる。おも
85夜もすがら 物思ふころは 明けやらで
閨のひまさへ つれなかりけり 近日公開
俊恵法師夜通し物思いに沈むこの頃は、なかなか明けない夜の、寝室の隙間さえもがつれなく思われる。よも
86嘆けとて 月やは物を 思はする
かこち顔なる わが涙かな♪ 「嘆けとて」を聴く
西行法師「嘆け」と言って月が私に物思いをさせるのだろうか。いや違う。それなのに、月のせいだと言わんばかりにこぼれる私の涙よ。なげけ
88難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ
身をつくしてや 恋ひわたるべき♪ 「難波江の」を聴く
皇嘉門院別当難波江の芦の刈り根の一節のように、たった一夜の仮寝のために、私は澪標のように身を尽くして…なにはえ
89玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
忍ぶることの 弱りもぞする♪ 「玉の緒よ」を聴く
式子内親王わが命よ、絶えるなら絶えてしまえ。生きながらえていれば、恋を忍び隠す力が弱って、想いがあふれてしまうから。たま
90見せばやな 雄島の海人の 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色は変はらず 近日公開
殷富門院大輔お見せしたいものです、雄島の漁師の袖でさえ、濡れに濡れても色は変わらないのに——血の涙で色の変わった私の袖を。みせ
92わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
人こそ知らね 乾く間もなし♪ 「わが袖は」を聴く
二条院讃岐私の袖は、引き潮の時にも海中に隠れて見えない沖の石のように、人は知らないでしょうが、涙に乾く間もないのです。わがそ
97来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ♪ 「来ぬ人を」を聴く
権中納言定家来ない人を待つ私は、松帆の浦の夕凪に焼かれる藻塩のように、身も焦がれるほどに想い続けている。こぬ

忍ぶ恋・片思い

11 首
第25番名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな三条右大臣近日公開
第27番みかの原 わきて流るる 泉川 いつ見きとてか 恋しかるらむ中納言兼輔近日公開
第39番浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき参議等近日公開
第48番風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな源重之近日公開
第49番御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ大中臣能宣朝臣近日公開
第51番かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを藤原実方朝臣近日公開

待つ恋

7 首
第18番住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ藤原敏行朝臣近日公開
第53番嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る右大将道綱母近日公開
第85番夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり俊恵法師近日公開

逢って、なお恋しい

6 首
第20番わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ元良親王近日公開
第50番君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな藤原義孝近日公開
第58番有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする大弐三位近日公開

嫉妬・恨み・切り返し

7 首
第19番難波潟 短き蘆の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや伊勢近日公開
第42番契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは清原元輔近日公開
第44番逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし中納言朝忠近日公開
第65番恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ相模近日公開
第72番音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ祐子内親王家紀伊近日公開
第74番憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを源俊頼朝臣近日公開

別れと後朝(きぬぎぬ)

5 首
第30番有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし壬生忠岑近日公開
第52番明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな藤原道信朝臣近日公開

恋の嘆きと涙

7 首
第45番あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな謙徳公近日公開
第46番由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな曽禰好忠近日公開
第54番忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな儀同三司母近日公開
第82番思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり道因法師近日公開
第90番見せばやな 雄島の海人の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず殷富門院大輔近日公開

曲になった歌

Songs · 18
百人一首 第3番
あしびきの
柿本人麻呂
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
百人一首『拾遺集』寂しさ待つ秋の夜のひとり寝の床
百人一首 第13番
筑波嶺の
陽成院
筑波嶺の 峰より落つる みなの川
百人一首『後撰集』片思い筑波嶺(茨城県つくば市)
百人一首 第14番
陸奥の
河原左大臣
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに
百人一首『古今集』片思い嘆き陸奥・信夫(福島県福島市)
百人一首 第21番
今来むと
素性法師
今来むと いひしばかりに 長月の
百人一首『古今集』待つ有明の月を待つ夜の部屋
百人一首 第38番
忘らるる
右近
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
百人一首『拾遺集』嫉妬・恨み別れ
百人一首 第40番
忍ぶれど
平兼盛
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は
百人一首『拾遺集』片思い
百人一首 第41番
恋すてふ
壬生忠見
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
百人一首『拾遺集』片思い
百人一首 第43番
逢ひ見ての
権中納言敦忠
逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
百人一首『拾遺集』恋しい
百人一首 第56番
あらざらむ
和泉式部
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
百人一首『後拾遺集』恋しい無常病床
百人一首 第59番
やすらはで
赤染衛門
やすらはで 寝なましものを さ夜更けて
百人一首『後拾遺集』待つ嘆き月を待つ夜の部屋
百人一首 第63番
今はただ
左京大夫道雅
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
百人一首『後拾遺集』別れ嘆き
百人一首 第77番
瀬をはやみ
崇徳院
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
百人一首『詞花集』決意別れ岩に割れる急流
百人一首 第80番
長からむ
待賢門院堀河
長からむ 心も知らず 黒髪の
百人一首『千載集』嘆き別れ後朝の部屋
百人一首 第86番
嘆けとて
西行法師
嘆けとて 月やは物を 思はする
百人一首『千載集』嘆き月夜
百人一首 第88番
難波江の
皇嘉門院別当
難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ
百人一首『千載集』嘆き恋しい難波潟(大阪府大阪市)
百人一首 第89番
玉の緒よ
式子内親王
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
百人一首『新古今集』決意片思い
百人一首 第92番
わが袖は
二条院讃岐
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
百人一首『千載集』嘆き海辺(沖の石)
百人一首 第97番
来ぬ人を
権中納言定家
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
百人一首『新勅撰集』待つ松帆の浦(兵庫県淡路市)

よくある質問

FAQ

百人一首に恋の歌は何首ありますか?

43首です。歌集の分類(部立て)で「恋」に入る歌が百首中43首あり、次に多い秋の歌(16首)の倍以上、百人一首全体のほぼ半分を占めます。

百人一首でいちばん有名な恋の歌はどれですか?

一首に絞るのは難しいですが、崇徳院の「瀬をはやみ」(第77番)、式子内親王の「玉の緒よ」(第89番)、藤原義孝の「君がため」(第50番)がよく挙げられます。また平兼盛「忍ぶれど」(第40番)と壬生忠見「恋すてふ」(第41番)は、天徳内裏歌合で直接対決した名勝負の歌として知られています。

百人一首の恋の歌にはどんな特徴がありますか?

平安貴族の通い婚を背景に、訪れを待つ女性の歌、夜明けに別れる後朝(きぬぎぬ)の歌、人目を忍ぶ恋の歌が多いのが特徴です。「まつ(松・待つ)」「みをつくし(澪標・身を尽くし)」のような掛詞や、水辺の縁語を使って、風景と恋心を重ねる技法が多く見られます。

恋の歌を効率よく覚える方法はありますか?

片思い→待つ→逢う→恨む→別れる、という恋の流れで場面ごとにまとめて覚えると、意味と一緒に定着します。さらに決まり字を組み合わせ、メロディに乗せて口ずさむと、上の句と下の句のつながりが自然に身につきます。