飛鳥時代の宮廷歌人。持統・文武朝に仕え、皇族の挽歌や行幸の歌など長歌・短歌あわせて約90首が『万葉集』に収められる。雄大な構成と枕詞・対句を駆使した格調高い歌風で、後世「歌聖」と仰がれた。紀貫之は『古今集』仮名序で山部赤人と並べて称えている。百人一首の「あしびきの」は『拾遺集』所収で、伝人麻呂作とされる。生涯の詳細は不明で、石見国で没したと伝わる。
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかも寝む
山鳥の垂れ下がった尾のように長い長いこの秋の夜を、私はひとりで寂しく寝るのだろうか。
決まり字:あし