平安時代中期の女流歌人。右近衛少将藤原季縄の娘で、父の官名から右近と呼ばれた。醍醐天皇の中宮穏子に仕え、天暦・天徳期の内裏歌合に出詠している。藤原敦忠・師輔・朝忠、元良親王らとの恋愛が『大和物語』に伝えられる。勅撰集に約10首が入る。百人一首の「忘らるる」は『拾遺集』の恋歌で、忘れられた我が身よりも、神に誓った相手の命を案じると詠む、恨みを反転させた歌として名高い。
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
人の命の 惜しくもあるかな
あなたに忘れられる我が身のことは何とも思わない。ただ、神に誓ったあなたの命が、偽りの罰で失われないかと惜しまれてならない。
決まり字:わすら