奈良時代前期の歌人。聖武天皇の行幸に従って吉野・紀伊・難波などで歌を詠み、『万葉集』に長歌13首・短歌37首を残す。自然を澄んだ目で写す叙景歌に優れ、「田子の浦ゆうち出でて見れば」の富士の歌は代表作。『古今集』仮名序で柿本人麻呂と並ぶ歌聖と評され、三十六歌仙の一人。百人一首の歌は『新古今集』所収の改作形で採られている。官位は低かったとみられ、伝記はほとんど不明。
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ
田子の浦に出て眺めてみれば、真っ白な富士の高嶺に、今もしきりに雪が降り続いている。
決まり字:たご