平安時代中期の歌人。『古今集』撰者壬生忠岑の子。摂津大目など低い官職にあった。三十六歌仙の一人で、『拾遺集』などの勅撰集に約35首が入る。幼少のころ召されて歌を詠んだ逸話が『袋草紙』に見える。960年の天徳内裏歌合で平兼盛と「恋」の題で競い、百人一首の「恋すてふ」を詠んだが惜敗した。この敗北を悔やんで食を断ち死んだという説話が伝わるが、その後も歌合に出詠しており事実ではない。
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか
恋をしているという私の噂が、もう立ってしまった。誰にも知られないよう、ひそかに想い始めたばかりだったのに。
決まり字:こひ