平安時代中期の歌人。910年に文章生となり、大宰大典を経て920年に壱岐守に任じられたが、赴任前に没したと伝わる。伝記はほとんど不明で、『古今集』に3首、『後撰集』に2首が入るのみ。百人一首の「山川に」は『古今集』の秋歌で、志賀の山越えの道で詠んだと詞書にある。谷川に散った紅葉が風のかけた「しがらみ」となって流れをせき止めると見立てた、擬人化の技巧が光る歌。
山川に 風のかけたる しがらみは流れもあへぬ 紅葉なりけり
山あいの川に風が架けた流れ止めの柵——それは流れきれずに集まった紅葉だったのだ。
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