平安時代前期の僧・歌人。俗名は良岑宗貞。桓武天皇の孫にあたり、仁明天皇の蔵人頭として寵愛されたが、850年の天皇崩御を機に出家した。比叡山で修行し、花山の元慶寺を開き、885年に僧正となる。六歌仙・三十六歌仙の一人で、『古今集』仮名序では「歌の様は得たれども、誠すくなし」と評された。百人一首の「天つ風」は出家前、五節の舞姫を詠んだ歌。素性法師の父。小野小町との贈答歌も知られる。
天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ
天を吹く風よ、雲の中の通り道を吹き閉ざしておくれ。天女たちの美しい姿を、もうしばらく地上にとどめておきたいのだ。
決まり字:あまつ岩の上に 旅寝をすれば いと寒し
苔の衣を 我に貸さなむ(小町)
世をそむく 苔の衣は ただ一重
かさねばうとし いざ二人寝む(遍昭)