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百人一首 第13番・陽成院筑波嶺の

陽成院出典:『後撰集』恋三・776
筑波嶺の 峰より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
百人一首『後撰集』片思い筑波嶺(茨城県つくば市)
筑波嶺の ジャケット

現代語訳

筑波嶺の頂から流れ落ちるみなの川が、次第に深い淵となるように、私の恋心も積もりに積もって深い淵となってしまった。

決まり字:つく

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歌のものがたり

Story

時代背景

陽成院は第57代天皇。9歳で即位、17歳で摂政・藤原基経に退位させられた(表向きは乱行、実際は摂関政治の権力闘争)。その後は上皇として80歳過ぎまで60年以上を歌に親しんで生きた。この歌は光孝天皇の皇女・綏子内親王に贈った求婚の歌で、二人は実際に結ばれた——百人一首の恋歌では数少ない「成就した恋」。筑波山は男体山・女体山の二峰を持ち、古来「歌垣」(男女が集い歌を詠み交わす)の恋の聖地。

詠み人の想い

はじめは頂から滴る一滴の水のようだった想いが、気づけば淵のように深くなっていた。「恋ぞつもりて」——恋は降り積もるもの。帝位を奪われ人生の大半を他人に決められた院にとって、この恋は数少ない「自分の意志」だった。技巧を凝らさず比喩一本で言い切るストレートさに本気が出ている。

歌詞にこめたもの

「恋ぞつもりて淵となりぬる」——恋は降り積もるもの、という原歌の感覚をそのまま曲の構造にしました。二つの峰から落ちた水が一つの川になるように、別々の視点で同じ始まりを歌う男女の声がサビで重なるデュエットです。結びの「この淵の名前は 君だ」が最後に「ふたりだ」へ変わる、その一語の変化だけで片想いの成就を描きました。

歌詞

Lyrics

筑波嶺の(後撰集/陽成院・百人一首13番)Garu JP

Verse 1](男)

はじまりは きっと些細なこと

「おはよう」ひとつで 晴れる朝

それだけのこと だったのに

気づけば今日も 君を探してる

Verse 2](女)

はじまりは きっと偶然のこと

帰り道 ふぞろいの歩幅

それだけのこと だったのに

となりの横顔 見上げてる

Pre-Chorus](掛け合い)

一滴ずつ 落ちてくる

音もなく 積もってく

この想いに 名前をつけるなら

Chorus](デュエット)

筑波嶺の 峰より落つる みなの川

恋ぞつもりて 淵となりぬる

ひとしずくの「好き」が積もって

もう戻れない 深さになった

この淵の名前は 君だ

Verse 3

たわいない話の 帰り道

まだ帰りたくない って思った

何気ない日々の ひとつずつが

水かさを 増やしていく

Pre-Chorus 2

浅い川なら 渡れたのに

もう膝まで 胸まで

Chorus 2](デュエット)

筑波嶺の 峰より落つる みなの川

恋ぞつもりて 淵となりぬる

流れの速さじゃ なくて

深さで測るものが あるんだ

この淵の底まで 君と行く

Bridge

千年前 玉座を追われた人も

この想いだけは 手放さなかった

沈むことを 恋と呼ぶなら

喜んで 沈もう

Drop

筑波嶺の 峰より落つる みなの川

恋ぞつもりて 淵となりぬる

Final Chorus

筑波嶺の 峰より落つる みなの川

恋ぞつもりて 淵となりぬる

ひとしずくの日々が積もって

ふたりの淵は 深く静かだ

千年経っても 涸れないように

この淵の名前は 「ふたり」だ

Outro

恋ぞつもりて……

淵となりぬる

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